文学の森

書庫 書き溜めた短編

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

別窓 | スポンサー広告
∧top | under∨

月の裏の住人2

     二
 クラスの仲の良いグループを誘い、二宮はプールに行った。それは、安部に教えてもらったリゾートホテルだった。武司は元々、二宮と仲の良いグループのひとりであった。
 フロントで宿泊客ではないが、プールのみを使用したい、と申し出た。にこやかに係員は対応し、名前を記載してほしいと、名簿を出した。二宮の心臓は高鳴った。今にも笑い出したい気持ちを必死で抑えて。
 係員は、「申し訳ありませんが、この子は使用できません」と言った。二宮は爆発したいお腹を抱えて、「え~何でですか~?」と言った。係員は、困ったように視線を逸らす。
「武司だけ、駄目なんですね」
そう確認すると、武司の尻を蹴った。係員は、プッと噴き出した。それを見た二宮は、目が痒くなるほど可笑しくて手を叩き、足を踏み鳴らした。
「な、なあ、安部の言った通りだろ?武司だけ、使用禁止なんだ!」
他の子供たちは、異物を見るように、武司を見て、鼻をつまみ、立ち去った。息を止めて、逃げ出す子もいた。二宮は、雄叫びをあげた。
「世界最強の玩具を手に入れた!」

スポンサーサイト

別窓 | 未分類 | コメント:0 | トラックバック:0
∧top | under∨
<<月の裏の住人3 | 文学の森 | 月の裏の住人>>

この記事のコメント

∧top | under∨
コメントの投稿
 

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック

∧top | under∨
| 文学の森 |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。